支部
堂本暁子氏講演会報告
2023年11月16日KKR鎌倉わかみやにて、支部総会と堂本暁子氏の講演会を開催。さがみの会湘南支部からも2名の参加があり、合計38名が出席しました。
堂本暁子氏(1955年文学部社会学科卒)は「女性と政治」と題して、80余枚のスライドを示しながら、ご自身の足跡を紹介してくださいました。
米国カリフォルニアで誕生後、3年間の米国での生活体験が、ジャーナリスト・国会議員として世界を見る目を培われた原点となったようです。女性の柔軟な、それでいて言うべきことは言う一貫した姿勢が、世界規模の会議でリーダーに選ばれた所以でしょう。ジェンダー云々の今日にあって、私達同窓生は、堂本先生の歩みから学び、志を継ぐべき時と強く考えさせられました。講演は大変好評でした。以下、講演の要旨をご紹介します。
誕生から東京女子大学時代まで
・1932年米国カリフォルニア州で誕生。戦争のため、3歳で日本に帰国。
・小学校から高校時代まで、拝島・軽井沢・鎌倉で過ごす。
・東京女子大学時代に山岳部を創設。今回の講演会には、当時のお仲間(他支部会員)も参加。
・当時の女子大には旧制高校のような自由闊達な雰囲気があり、男女合同の企画もあった。
TBS記者・ディレクターを経て、国会議員に
・1980年報道ドキュメンタリー「ベビーホテル」で、日本新聞協会賞など多数受賞。
・社民党 土井たか子氏に認められ、国会議員(社会党参議員)となる。
・1990年GLOBE(地球環境国際議員連盟)に参加。
・1992年リオデジャネイロで開催の「地球サミット」では日本代表として、「生物多様性条約」、アジェンダ21の制定に尽力。
・1993年GLOBE日本総裁に就任。
・1994年IUCN(世界自然保護連盟)専門理事就任。国際会議で日本政府代表を務める。
・1997年UNEP(国連環境計画)の「環境に貢献した25名の女性リーダー」に選出
・1999年GLOBE世界総裁に就任。
上記のほかにも、医療保険制度改革、児童買春・ポルノ禁止法、特定非営利活動促進法(NPO法)、男女共同参画社会基本法、配偶者に対する暴力禁止法(DV法)の審議立法活動に関わる。
2001年 女性初の千葉県知事 そして退任後の今は
・市民参加型のタウンミーティングを県政運営の中軸とした。
・「NPO立県千葉」を重点施策とし、NPOの自立した活動の組織基盤強化を図った。
・在職中も退任後も、女性・児童・障がい者・高齢者など、社会的弱者の味方である。
・2012年以降、女子刑務所の実情・現状を国・地域行政に積極的に発信している。
・災害の多い今日、人とのつながりを大切に! 一方で、他人任せではなく自ら行動を!
講演会を終えて
・堂本先生は90歳の今もジャーナリストであると明言され、市民活動を継続中。意思決定の場に女性を入れることの重要性・必要性を強調された。
・生物多様性とは、自然保護の意味ではない。自然(水・空気等の循環・相互依存)と人間の共生を意味する(ご著書『生物多様性 ―生命の豊かさを育むもの―』を復読したい)。
・国連での流暢な英語、他国の代表者との親交は、幼児期の異文化体験が影響しているように思われた。また、堂本先生のおしゃれなお召し物はお母様ゆずりとお見受けした。
支部長 板生郁衣
堂本暁子先生講演会
講演中の堂本先生
90歳の同級生同士