支部

2022/10/29 2022 年度大阪支部活動報告

  • 報告

唐澤真弓先生(東京女子大学 現代教養学部 心理・コミュニケーション学科 コミュニケーション専攻 教授)を講師にお迎えし、『無意識のバイアス こころと文化への心理学的アプローチ』をテーマにご講演をいただきました。

東京女子大学エンパワーメント・センター『出張エンパワーメント・センター』を活用し、オンライン会議システム「Zoom」により開催しました。大阪支部会員だけではなく、滋賀、兵庫、和歌山等のみなさまにもお声がけし、16 名が集いました。

先生は学内から Zoom 配信してくださり、時折女子大の懐かしい風景も映してくださいました。コロナ禍の大学のオンライン授業もこんな感じだったのかと思いをはせながら、皆熱心に先生のお話を拝聴しました。

内容は、ジェンダーという観点から無意識のバイアスを、LGBT の観点からもお話しいただき、とても充実したものでした。ゲームのような形で皆が参加したのは、先生が発する言葉からイメージし、左右どちらかの手を上げて下ろすというもの。例えば女性をイメージした場合、左手を上げて下ろすとルールを決め、「母親」であれば左手を選ぶのはすぐに判断できました。次に「男性か理系」または「女性か文系」というくくりで「物理学」であれば「男性か理系」の方の手を選ぶことができました。ところが「男性か文系」または「女性か理系」というくくりで「物理学」の場合、右手?左手?どちらを選べばいいのか戸惑い、判断に時間がかかりました。もしかしたら自分のこころのなかに、男性=理系という刷り込みがあるのかも、と理解することができました。

ジェンダーについて、男性と女性の違いや不平等ということだけでなく、LGBTも含めて偏見や差別をなくし多様性を認める社会の実現が望ましく、取り組みがあることや、他の女子大学の動向に関するお話もあり、興味深く伺いました。同窓生の私たちより、子世代、孫世代のほうが、「同級生が男性から女性になった」経験をそれほど抵抗なく受け入れている状況がある等、参加者からの発言があり、皆で大いにうなずきました。

先生は参加者の発言や質問にもていねいにご対応くださり、予定の時間があっという間に過ぎました。開催後も「家に居ながら先生のお話を伺えて楽しかった」等感想のメールをいただいたり、他支部との連携をお申し出いただいたり、と交流が続きました。

先生のあたたかな双方向のコミュニケーションと気配りに触れることができ、自身のこころのあり方を変えていく必要性を感じつつ、先生からエンパワーしていただけたと実感できた一日でした。

大阪支部 杉林智子、野田理恵、坂口智子

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